ってめっちゃスピリチュアル! 己の岩戸を開くには、体験が一番! 行動して、体験して、経験値を上げる。限界を決めずにまずはやってみる! 海外の辺境から日本の神社仏閣まで、心が呼ばれる場所を放浪しながら、人生の気づきの種を拾っていく「旅するライター」の破天荒コラム。

『旅スピ!』ライター(元 StarPeople編集長) 北條明子さん 

VOL.7 ボリビアの病院に謎の日本人男性、あらわる~南米・半死半生体験その③~

 

前回までのお話はこちら!

 

とんでもなく具合が悪く、ぐったりしていて、マーライオン状態の私の前に仁王立ちしているそのお役人は、神妙な顔でこう言い放った。

 

お役人
お気を悪くするかもしれませんが、万一、死亡した場合に日本に搬送するときのサインを今お願いします

 

と言って、書類をこちらに向けてきた。

なぬー? 準備が早すぎるぞ! そりゃ~、お気が悪くなるでしょ!! まだ私は生きているし!

 

明子
ちょ、ちょっと待ってください。今それ必要~?

 

役人
はい、あなたは大腸菌感染高山病を併発していますし、日本人はこのボリビアで高山病で簡単に亡くなってしまう人も結構いるんですよ。そういうときのために…

 

というようなことを言っていた。

 

リャマのミイラとか頭蓋骨とか不気味な物を売る謎の商店inペルー。おそらく現地でシャーマンの魔術的な儀式にも使われていると想像。さすが、インカ帝国!

 

そうか! 私は菌感染だけでなく、高山病を発症していたのか! スペイン語が分からないから、自分の病状も理解していなかった(笑)。

なるほど~、道理で具合がすこぶる悪いわけだ! 目を閉じたらこのまま気持ちよくあちらの世界へ行ってしまいそうになるのはこのためか。

 

 

いや、それもそうだが、この日本のお役人、一体なぜに突然降ってわいてきたのか?

病院側が日本人の病人が運ばれてくるときには、日本大使館に連絡するシステムだったのか、保険会社が連絡したのかは不明だが、とにかく、遺体搬送許可書とか、不穏な書類を持って登場したのだから、こちらとしては穏やかではいられない!!

頭がぼんやりしながらも、本能がそれを拒否し、「私は生きる!」という本能スイッチが突如発動!

 

ボリビアは超高地。高山病予防のためコカの葉を普通に販売している。お茶にして飲んだり、葉っぱを口の中に含んで、症状を緩和する(私は間に合わなかった!)。

明子
いやいや、私は絶対にこんなことで死にませんよ。いつかは死ぬかもしれないけど、今じゃないし、ここじゃない。だから、サインはしません! 大丈夫ですからお帰りを

 

と根拠ゼロの説得を試みたが、なかなか帰ってくれない。枕元に立っているその男性がだんだん死神に見えてきて、うすら寒くなってきた。

 

 

結局、サインはせず、その日本人医務参事官が医者と私の間に入り、スペイン語と日本語の通訳までしてくれて(とてもいい人だった)、

 

お役人
何かあったらまた来ます

 

と言い残し(何かあったらもう私はいない)サインなしでお帰りになってくれた(笑)。

その後、1週間ほど、ボリビアに足止めとなり、毎日、ふらふら状態で通院しながら、残りの時間は安宿で安静に過ごし(金銭的理由で入院はできなかった)、何とか回復したのだ。

 

彼のおかげで「生きるスイッチ」が入った私は、薬の力もあるけれど、気合と意識で体内に入ってしまった大腸菌の一種を駆逐し、高山病を克服できたのだと思う。生きるという意思の力はすごいのです!

 

旅の最終地、ペルーのマチュピチュ! 二本足でたどり着けた喜びに感動。

 

その後、復活して、旅を続けることができて、自力で登ったマチュピチュは美しかった。でも、すべては自分の命があってこそ。
本当に命は大事。生きているって、とんでもなく素晴らしいことなのだ。岩戸を開くにも、生きていないといけないし(笑)。

生かされているということは、やるべきことがまだあるということ。
それって、有難いことなのです。

みなさまも命に感謝を💛 体の細胞一つひとつに感謝を💛

 

今日のご神託 

明日世界が終わるとしても、私はりんごの木を植える

16世紀のドイツ人聖職者、マルチン・ルターの言葉。それほどまでにりんごが好きだったのかという話でなく(当たり前)、命の灯が消えるそのときまで、過酷な環境にあろうとも人は成長できる、という意味。地球最後の日に一体自分は何をするだろうか? 多分リンゴは植えないが、人の畑のリンゴをかじっている可能性はある(←最低)。最後の日も、美しく純粋な精神でいたいものである。

 

北條明子 AKIKO HOJO 
東京下町生まれ。出版社勤務、取材記者、トルコ・イスタンブールでゲストハウスの女将などを経て、現在、スピリチュアル系を中心としたフリーライター&編集者。元「StarPeople」編集長。海外渡航歴は約40か国。Amazon電子書籍『旅スピ!旅スキ!ブラブラ旅エジプト編  元スピリチュアル雑誌編集長が空を飛ぶ!』、『旅スピ!旅スキ!世界ブラブラ旅トルコ篇 「ノアの方舟」伝説のアララト山にど素人が登ってみた』などを販売中。https://hodo.jp/
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トルコの東の果てにそびえる「アララト山」は標高5137mのトルコで一番高い山。著者と仲間たちが素人ながら、アララト山に挑み、ヘロヘロになりながら、ときには珍事件やハプニングが巻き起こり、笑いあり、涙あり、感動あり、嘆きや愚痴あり、のドタバタストーリー!!

 

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