ってめっちゃスピリチュアル! 己の岩戸を開くには、体験が一番! 行動して、体験して、経験値を上げる。限界を決めずにまずはやってみる! 海外の辺境から日本の神社仏閣まで、心が呼ばれる場所を放浪しながら、人生の気づきの種を拾っていく「旅するライター」の破天荒コラム。

イスラエル・エルサレムの嘆きの壁にて

『旅スピ!』ライター(元 StarPeople編集長) 北條明子さん 

前回までのお話はこちら。

シリアとヨルダンの国境を陸路で越えたい明子さん(一人旅)、タクシー運転手との交渉はうまくいった模様。その後、どんな運命が待ち受けているのでしょうか。

VOL.2 恐怖の国境越えで、経験値アップ(その②)

 

交渉成立から数時間後(早い!)、いよいよ、我々は国境越えのために集まった。

メンバーは、

① 目をぎらつかせたイエメン人男性

② スカーフでまったく顔の見えない中年女性

③ 同じくスカーフでグルグル巻きになっている女性

④ そして私。

三名は英語がまったく出来ないし、私は「こんにちは」「ありがとう」しかアラビア語ができないので、意思の疎通はほぼ不可能。ドライバーもいんちきくさく(交渉したドライバーとなぜか代わっていた)、不穏満々な空気の中、小さなオンボロセダンの車でいよいよ出発!

 

ヨルダン ペトラ遺跡

 

何時間走ったか記憶にないが、突然、軍人たちがワラワラいる厳戒態勢の建物前に到着。いきなり、ドライバーが車を停めて、こう言い放った。

 

運転手
ここが国境だ。あっちがシリアだ。今から10分間ここで俺は車を停めて待つ! お前たちはビザをもらいに行け。もらえても、ダメでも、俺は10分間経過したら勝手に出発する!

 

おおおおお、何たる緊張感! さすが$10! 客の扱いは雑! 待ち時間の10分が少ないのか、多いなのか、さっぱり分からないが、とにかく、急ぐのじゃ。

怪しいイエメン人男性やスカーフ巻きのおばさまたちと一緒に建物に向かって 走る、走る、走る。

 

 

中は謎めいた訳あり人たちで熱気むんむん、今でいう三密どころの騒ぎではない。

どこが窓口なんだか、一体何をしたらいいのか、皆目見当がつかないが、心は急ぐ。焦る。

こんな場所でおいてけぼりはいやだ~!! 銃をもった警備隊やら軍人やらがウロウロしているこんな場所で野宿は避けたい。

 

相当に心細くなってきた。泣きたくなってきた。

あのとき、なぜ、日本でちゃんとビザを準備しなかったのか。

愚かな自分をののしっても、時すでに遅し。こんな場所でのたれ死ぬのか? ネガティブな考えが脳内を駆け巡る。

 

とにかく、日本の菊の御紋が光るパスポートを握りしめ、アフリカ系の出稼ぎ労働者の方々が並ぶレーンに一緒に並んでいると、白人男性が近寄ってきた(恐らくフランス人)。

 

白人男性
君、日本人か?

明子
はい

白人男性
なんで、この列に並んでいるんだ?

明子
ビザが急いでほしいんです。あと6分くらいしか時間がないんです

白人男性
よし、来い!

明子
!!!

白人男性
ここに並んで、ビザを申請しなさい。いいね?

 

窓口の人に彼は何か言ってくれて、私にうなずいて、いなくなった。

よく見ると、そこはお大臣様や外交官用レーン(笑)。

おいおい、私のこの汚いリュックやジーパンでアンバサダーって、そりゃ無理だろう。

と思いつつ、おずおずとパスポートを窓口で見せると、担当者は失笑しながら、「今度からはちゃんと日本でビザをとりなさいよ。そのほうが安全だよ」とたしなめられ、笑顔でスタンプをくれた。

 

は~、ありがたや。神様は世界中にいる!

人は人に救われる。

「恩送り」という言葉があるけれど、まさにそう。海外で助けてくれた人たちの恩を誰かに返そう、と、心に強く刻んだ。

 

‥‥、と、ここで終われば素晴らしい大団円なのだが、その後、まさか、もう一丁、峠が待ち受けているとは知る由もなかった。
人生は山あり谷ありというけれど、ときに、谷の先にも谷(笑)。神様からの試練の球はどんどん投げられるのだ。

 

※次号に続く

 

今日のご神託 

うつむいたままでは虹は見つけられな

もうその通りの言霊です! スマホばかり見ている人たち、空を見上げましょう! 私と旦那は信号待ちで空を見上げていたらUFOとも遭遇しましたよ(笑)。人間は、大地を見て、天を仰ぐ。このバランスが大切ですね。

 

北條明子 AKIKO HOJO
東京下町生まれ。出版社勤務、取材記者、トルコ・イスタンブールでゲストハウスの女将などを経て、現在、スピリチュアル系を中心としたフリーライター&編集者。元「StarPeople」編集長。海外渡航歴は約40か国。Amazon電子書籍『旅スピ!旅スキ!ブラブラ旅エジプト編  元スピリチュアル雑誌編集長が空を飛ぶ!』、『旅スピ!旅スキ!世界ブラブラ旅トルコ篇 「ノアの方舟」伝説のアララト山にど素人が登ってみた』などを販売中。https://hodo.jp/

 

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トルコの東の果てにそびえる「アララト山」は標高5137mのトルコで一番高い山。著者と仲間たちが素人ながら、アララト山に挑み、ヘロヘロになりながら、ときには珍事件やハプニングが巻き起こり、笑いあり、涙あり、感動あり、嘆きや愚痴あり、のドタバタストーリー!!

 

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