雑誌『岩戸開き 第13号』が発売開始となりました! ウェブサイト「岩戸開きオンライン」では、都市伝説でおなじみの関暁夫さんがナビゲーターとして、毎回、独自の視点から、本誌のコンテンツに絡めて、宇宙的&スピリチュアルな関ワールドを語ってくださいます。
『岩戸開き』ナビゲーター 関暁夫さん
未来の食糧危機を憂う前に、
今の自分の意識変革を!
自国で十分賄えるのに輸入に頼る日本
「将来的には食ベ物に頼らない生活ができる」と言っているスピリチュアル系の人たちもいます。たとえば、光(プラーナ)を食べて生きている人もいるらしいけれど、ごくごく一部だし、実際問題、普通の人間にはまだ食糧は必要です。あと、ファスティング(断食)も流行っているけど、それはあくまで健康や解毒のためであり、1日とか1週間とか数か月とか食事を抜いても、世界の食糧問題や地球環境には何ら影響は及ぼさないでしょう。昆虫食も論外です!
この先の未来、人類が進化して、食糧を必要としなくなる世界がくるかもしれないけれど、少なくとも今の地球では、命をつなぐために食べ物は絶対的に必要です。
しかし、この国は、資源とされるものをきちんと生み出す努力を行わなくなってしまいました。日本の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中でも一番低く、直近(2017年)の食料自給率は約38%しかないんですよ。戦後の1946年は88%だったのが、年々下がっていっています。他の国をみると、カナダ266%、アメリカ132%、フランス125%、イギリス65%…と、どこも日本より遥かに高い。日本は、穀物、野菜、果物、肉類など、さまざまな食料の6割強を海外からの輸入に頼っているんです。海や山に囲まれ、気候にも恵まれていて、これほど豊かな大自然を有する島国なのに、ましてや、昔は農耕民族として自給自足で十分にやっていけていたのに、今では驚くほどの輸入依存国なんです。
畜産だってそうですよ。「〇〇牛」と言って国産牛肉を謳っていても、飼料の多くは海外からの輸入品ですからね。そういう意味で、本当の日本産はとても少ないんです。
日本国内で生産された野菜や果物だとしても、安さや効率重視でやってきたから、遺伝子コントロールされた種を買わされて、農薬もたくさん買わされて、もう昔の日本の野菜ではなくなってしまっています。見た目は綺麗だけど、栄養分も少なくて、農薬も使っているから安心安全ではなくなってきているし、昔の日本人が食べていた野菜や果物とは似て非なるものなんです。
そういうことを甘んじて受け入れ続けている日本人(多くの人はその問題自体を知らない)は、生活水準も精神性もどんどん低くなってきているし、この国は色々なことが限界に来ています。
もう、食糧危機以前に、民族危機ですよ。
農作物の問題は、農家の方々の高齢化もあるけれど、畑や稲作を継続的にやれる環境が整っていないことが大きな原因の一つ。額に汗して懸命に畑仕事をしても、儲からないのなら、働き手が減っていき、農業自体をやめる家が増えるのは当たり前。国がもっと農業従事者と向き合って、支援して、AIとかITテクノロジーをもっと採用して、新しい農業をつくっていかないといけません。
それも、安全安心して食べられる本物の食糧をつくること!!
みんなで食糧を分け与える循環システムが急務
世界的な食糧問題の一番の鍵は、循環システムです。ある国には倉庫に食べきれないくらいの大量の小麦やトウモロコシがある。一方、他の国は今日食べるものがない。約80億人いる地球上で、かたや飽食で、かたや飢餓に苦しんでいるという、昔からの食の不均衡が未だに解決できていない。本来、余剰分の食糧が必要な場所すべてに循環しないといけません。
今の時代はテクノロジーが発達しているから、「AI アグリ」っていって、砂漠でも今や野菜がつくれる時代になってきました。資源がなくても食べ物をつくれるけれど、それを世界中に分け与えることをできないなら、結局は同じことになる。
大事なのは、みんなにきちんと平等に循環できるシステム! 日本国内だってそうです。支配コントロールされているこの国において、自分たちできちんと真っ当な食べ物をつくって、みんなに平等に分配できる配給システムをすぐさま構築しないと、どこかの国がまた介入して、とんでもないことになるかもしれませんよ!
日本中の土地や水源も他国の富裕層に奪われてしまっているし、日本人は平和ぼけしてしまっているけれど、のんびり生きている場合じゃないんですからね。色々なところにアンテナを張ってくださいよ! 食糧危機だけでなく、日々刻々と変化する世界情勢に対応するためには、まず今の自分たちの意識を変えなくてはいけないんです。対岸の火事という感覚でいてはダメ!
世界とのパイプラインを断たれたら、今の日本はすぐに食糧が足りなくなる。昔はこんな脆弱な国じゃなかったはずです。
日本人よ、原始に戻れ!
縄文時代にはみんなが海や山の自然の恵みを採取し合って、平等に分け与えていました。シンプルで調和のとれたシステムでみんながうまくやっていたんです。
その頃は、自分たちの必要な分しか採らなかったはず。生きるための食料だから、その日みんなが食べられる分があればそれで充分だったし、幸せだったはず。動物たちだってそうでしょう。必要な量だけしかとりませんよね。
でも、今の人間は違う。「もっと、もっと」の欲で動くから、地球環境をどんどん壊してしまっているんです。日本はフードロス(食料廃棄)が世界でも突出して高くて、企業もそうだし、半分くらいは家庭からの廃棄分だそうです。安いからと言って買い過ぎて結局は捨ててしまう。地球の裏側に今日の食事もとれない人たちがいるのに、そんなことは想像できないんです。今の日本人は想像力が乏しくなってしまっている。
食糧危機を引き起こしている原因に、自分も加担しているという認識をもつこと。
玉石混淆のネットニュースや動画に翻弄されず、本物の情報を見極め、自分の頭で考えて、行動すること。
小さな一歩からでもいいから、自分に今日何が出来るかを考えて、すぐに動いてください。
近い将来、世界規模の食糧危機がくるかもしれない。でも、その前にまずは今日の自分の行動を考えよ!
それができない人たちが未来を憂いていても意味がない。
まずは今日の食料に感謝する。その背景にある作り手の農家さんや漁師さんたちに感謝する。食材になってくれたすべての命に感謝する。そして、全部を美味しくいただく。
当たり前のことを当たり前に出来る人間になることが、未来の食糧危機を回避する最初のステップなんじゃないでしょうか。
Mr.都市伝説。日本のミステリーテラー。人気番組「やりすぎ都市伝説」などテレビ・ラジオ番組で活躍しながら、YouTuberとしても登録者数約58万人を有し、活動の幅を広げ、進化し続けている。書籍『Mr.都市伝説』シリーズは累計300万部のベストセラー。