【実録】現代に現れた“大天狗” ── 山中で起きた不可解な交霊現象

標高が1300メートル以上ある古(栃木県)山頂にある三枚岩(左)。
天狗の霊地であるらしく、霊媒・梨岡京美氏はここでも「山形の天狗さん」と交霊し、天狗界に関する重要な情報を得た。

取材の目的は「ある霊能者の足跡」だった

2021年7月、山形県某所の山中で起きた出来事が、一部の専門家や関係者の間で静かな波紋を広げている。
発端は、戦前に「空中飛行」などで知られた霊能者・高橋宥明(たかはしゆうめい)の取材だった。
執筆にあたって現地を訪れたのは、作家の不二龍彦氏、霊媒の梨岡京美氏、そしてナチュラルスピリット代表の今井博樹の3名だ。

彼らは山奥の磐座(いわくら)に足を踏み入れた。その場で、当初は予定していなかった“存在”との接触が記録された。
その名は、「山形の天狗さん」。
古来の伝説ではなく、現代に出現したとされる“霊的存在”である。

霊媒は見えたものを描写する

同行した霊媒・梨岡氏は、宗教的なバックグラウンドを一切持たない人物だという。
経典も読まず、神話も知らず、形式的な修行も受けていない。
にもかかわらず、彼女の語る言葉は詳細にわたるまで一貫していた。
現地で彼女が語ったのは、以下のような描写である。
「白衣に袈裟、兜巾をかぶり、鼻高の老人。背に羽根を持ち、足元には一本歯の高下駄。岩上に立ち、手には羽団扇」
それは、日本の伝承に登場する典型的な“天狗”の姿そのものだった。
不二氏はこの時点では懐疑的だったという。
そして、その“天狗”はこう語ったという。
「宥明は正直で純真だった。術は私が授けた」
さらに、「お前たちは姿を見ねば信じぬから、こうして現れたのだ」とも。
記録された“会話”の内容は、梨岡氏を通じて一語一句録音されており、その内容は後日検証された。

「知らない」と言える霊

本件を通じて、不二氏が“本物かもしれない”と感じた決定的な瞬間があったという。
それは、天狗に「漫画とは何か?」と尋ねたときのやり取りだ。
「漫画とは何だ? ワシは知らん」
この返答に、不二氏は確信を深めた。
曰く、「本物ではない霊的存在は、たいてい何でも知っているふりをする。だがこの存在は、率直に“知らない”と即答した」。
科学的な再現性や物理的証明が得られない領域だからこそ、この種の“素朴な応答”こそが判断材料となる、と不二氏は語る。

「導かれている」と語る彼ら

この出会い以降、3人は「霊査の旅」と称し、日本各地の霊地を訪れるようになった。
数百カ所にのぼる神社仏閣、磐座、旧跡などを巡り、各地で神霊や人霊との交信を記録している。
注目すべきは、その行程の多くが計画によるものではなく、導かれる形で進んでいるという点だ。
「明日の予定地が、今日の交霊で突然指定されることもある」と不二氏は語る。

古峰ヶ原の古峯神社(栃木県鹿沼市)に奉納されている烏天狗像(右)と大天狗像(左)。
梨岡氏の霊視によれば、烏天狗像には天狗のリアルな姿が非常に精巧に表現されているという。
古峯神社は「天狗の杜」とも呼ばれ、古くから天狗信仰が盛んなところである。

「天狗信仰ではない」との警鐘

この記録の中でもう一つ、特筆すべき発言がある。
それは“山形の天狗さん”自身による次のような言葉だ。

「天狗の八割、九割は悪い天狗だ。天狗信仰などするものではない」

つまり、天狗的存在は一枚岩ではなく、良性・悪性が混在するという指摘だ。
人間の死後、霊が天狗界に行き、変化した“人霊天狗”と、本来の自然霊としての“天狗”とを明確に分けるべきだとする主張は、オカルト的というよりは、分類学的にすら聞こえる。

情報公開か、それとも沈黙か

「この場所の情報は伏せてほしい」。
山形の天狗さんはそう語ったという。興味本位の訪問者によって山が荒らされることを避けたいという意向からだった。
この一言に従い、書籍では一切の地名や山名が伏せられている。
その点もまた、営利目的ではない調査姿勢の一端を示しているといえる。

「記録として残す」ことの意味

本書『霊査の古代史 天狗編』(ナチュラルスピリット刊)は、こうした一連の記録をまとめたものである。
信じるか否かは読者に委ねられているが、「山形の天狗さんのメッセージを伝える」という姿勢が、全体に一貫している。
それは神秘を神秘のまま放置せず、現場の空気感・証言・検証可能な言葉をもって、天狗についての真実と、現在の地球の危機的状況を伝えている。

取材記録としての価値、精神世界への問いかけとしての価値

『霊査の古代史 天狗編』は、単なるスピリチュアル・ノンフィクションではない。
民族学、宗教学、フィールドワーク、そして精神世界をめぐる探究の視点から見ても、ユニークな一次資料といえる。
天狗とは何か。霊媒とは何か。
そして、「目に見えない存在」と、どう向き合うべきなのか──。
そのヒントを、この本は読者に委ねている。

📘 書籍情報
『霊査の古代史 天狗編』
著者:不二龍彦・梨岡京美
発行:ナチュラルスピリット
定価:2,200円(税込)
全国書店・オンライン書店にて発売中
📘 霊査の古代史をシリーズ掲載中!
スピリチュアル&科学情報誌『岩戸開き』
発行:ナチュラルスピリット
定価:1,760円(税込)
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