アマテラスの再来? 愛子さまに見る“天皇の理想像”

日本人の精神性が問われる時代に

今、私たちは大きな時代の転換点に立たされています。
皇位継承の在り方をめぐる議論は、単に制度や血統の問題にとどまらず、日本という国の精神性と未来の方向性そのものを問いかけるものです。

2025年5月、東京・丸の内にて、「女性天皇」「皇位継承」「日本人の精神性」について、皇室研究者・高森明勅さん、医師・長堀優さん、作詞家・森由里子さんの三者による特別鼎談が開催されました。

歴史の転換期には、必ず“女性天皇”がいた

混迷の時代、日本の舵を取ってきたのは女性天皇でした。
飛鳥時代の推古天皇から、江戸時代の後桜町天皇に至るまで、女性天皇は時代を動かす役割を果たしてきたのです。
彼女たちの背後にあったのは、「うしはく(支配)」ではなく、「しらす(寄り添う統治)」という日本独自の在り方。
そこに、日本人の原点が垣間見えます。

歴代の日本の女性天皇(全8人)
代数 名前 在位期間 時代・特徴など
第33代 推古天皇 593年~628年 日本初の女性天皇。聖徳太子を摂政に任命。
第35代 皇極天皇 642年~645年 蘇我入鹿が暗殺された「乙巳の変」時の天皇。
第37代 斉明天皇 655年~661年 皇極天皇が再即位(重祚)した姿。百済出兵など。
第41代 持統天皇 690年~697年 天武天皇の皇后。藤原京遷都、律令体制整備。
第43代 元明天皇 707年~715年 『古事記』を編纂したとされる時代。奈良時代初期。
第44代 元正天皇 707年~715年 元明天皇の娘。病気や天災への対応を行う。
第46代 孝謙天皇 749年~758年 聖武天皇の娘。仏教保護を強化した天皇。
第48代 称徳天皇 764年~770年 孝謙天皇が再即位(重祚)。弓削道鏡との関係で有名。
第117代 明正天皇 1629年~1643年 江戸時代。徳川幕府の時代の女性天皇。
第118代 後桜町天皇 1762年~1771年 最後の女性天皇。光格天皇を支え「国母」と称される。


“今の皇室典範”は、時代錯誤ではないか?

現行の皇室典範は、明治時代につくられた古い枠組みです。
現在の制度では、敬宮(としのみや)・愛子さまのような直系の皇族であっても皇位継承ができません。
2024年の世論調査では、90%が「女性天皇に賛成・やや賛成」と回答。
にもかかわらず、政治の場ではいまだに改革が進まず、民意との乖離が生じています。

愛子さまの中に見える“理想の天皇像”

中等科1年時の作文「看護師の愛子」には、傷ついた命への献身が描かれていました。
その利他性は、まさに“祈りの象徴”である天皇に通じる精神です。
伊勢神宮で雨が止んだ話や、参賀で傘が一斉に閉じられた現象――
自然と敬意が集まるその姿は、誰よりも“天皇にふさわしい資質”を感じさせます。


日本の未来は「精神性」と「祈り」が導く

現代は物質偏重・分断・暴力といった価値観が強まりつつあります。
そんな今こそ、清らかさ・調和・利他性といった日本人本来の精神性が必要です。
鼎談では、「女性天皇の存在が、日本の本来の心を思い出すきっかけになる」との声があがりました。

皇位継承の未来を、私たち自身が考えるとき

「神話を失った民族は滅びる」――これは歴史学者トインビーの言葉です。
皇位継承の問題は、国の未来に関わる“私たち全員の課題”。
愛子さまの持つ精神性と存在感は、未来の天皇像を体現しています。
その可能性を拓くのは、制度ではなく、私たちの“意志”かもしれません。

(『岩戸開き』編集部)


スペシャル鼎談を掲載!
「清らかな心に差す、一筋の愛の光――女性天皇と皇位継承を考える」

皇室研究者・高森明勅さん、医師・長堀優さん、作詞家・森由里子さん

『岩戸開き』第20号
8月21日(木)にAmazon、8月29日(金)に書店にて発売です!

 

『新時代のアマテラス』― 愛子天皇の未来へ
森 由里子(著)


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